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心の育ちをサポートする5

2019/01/20

「安心ボックス」でアイデアを提案する

 

●不安を解消する「安心ボックス」

 ひとつのやり方として、「安心ボックス」をおすすめします。

 多くの子どもたちが不安を感じるのは、次のようなときではな

いでしょうか。

・はじめての活動

・負けたとき

・失敗したとき

・急な変更があるとき

・強い言葉で指示されたとき  など

 そんなとき不安を解消し、落ち着きを取り戻すためのアイデア

の提案として「安心ボックス」を用意しておくのです。そして、子

どもたちに自分で選んでもらいます。発達障害のある子は、感覚

が鋭敏な子どもが多いですので、なんらかの刺激や動きを入れてあ

げると落ちつくことがあります。伸縮性のあるボールをギューッ

と握ったり、トランポリンを一回飛んだり、へびごまをさわったり、

オイル時計のような動きのあるものを見たり、アロマをかいだり

……。そうすることで、苦手なことでもやりようはある、乗り越えら

れる、と実感してもらうのが「安心ボックス」です。

 たとえば、年長さんでゲームに負けると怒ってしまう子(既に何

度か安心ボックスを使っています)には、「安心ボックスから何を使

う?」と聞きます。

すると「今日僕はミントとオレンジスイートの香りをかぎます」と

自分から言うのです。そのアロマオイルを

ハンカチにしみこませ、怒ったときかぐことで、その子はゲーム

に負けても怒らずに済みました。

 幼稚園バスに乗れないと言う子が、ミントの香りをかぐことで

乗れるようになったり、ADHD(注意欠如・多動性障害)の子が

マッサージの道具で腕をコロコロしてあげるだけで落ち着いたり。

こうしたことで子どもは落ち着きと自信を取り戻していきます。

 学研教室でも、できる範囲で「安心ボックス」を用意しておか

れるといいのではないでしょうか。具体的な物でなくても、「冷た

い水を飲む」「教室をひとまわりする」といった行動をカードに書

き何枚か用意しておくのもおすすめです。「知識とイマジネーショ

ン」でアイデアの引き出しを増やしていきたいですね。