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その子の〝ありのまま〟を受け容れ、必要な支援を
先に挙げた男の子の例のように、私たちは大きく「波長」が違う子
だとありのまま受け容れようとするのですが、難しいのは、少し「波長」
がずれている「パステルカラー」や「グレーゾーン」の子どもたち。少
しずれているだけだからと、多数派に合わせようとしがちです。
たとえば、アトピー性皮膚炎や小児喘息は、それを治療しても、そ
の子のアイデンティティは傷つきません。ところが、ADHD(注意欠如・
多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム障害)の傾向がある子ど
もの困り感を修正しようとすることは、その子自体を傷つけることになるのです。
なぜなら、ADHDもASDも、その子の大切なアイデンティティであって、
強みでもあるからです。多数派と大きく違う「波長」を持っている子が、
集団の中で一方的に「あなたの行動はおかしい。多数派に合わせなさい」
と言われ続けるとどうなるか。自分のアイデンティティを攻撃されていると感じます。
そして、傷つき、心が委縮してしまいます。
私は、多数派と「波長」がずれている子どもたちを、「標準の発達
に近づくようトレーニングしよう」などとはまったく思っていません。た
だ、私たちの世の中は、多数派が生活しやすい環境になっていますので、
その子が生活しやすいよう、アイデアを出したり、一緒に工夫したりして
いくことは必要です。
「あなたは大切な存在。そして、あなたの多動や衝動性はあなたの
強みなのよ」というメッセージを伝えつつ、「でも、こういう場面では
困っているみたいだから、こんな工夫をしてみようか」と提案する。根
気が要りますが、こうした向き合い方、サポートのしかたが、心を育て
る上で大切だと思います。