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心の育ちをサポートする2

2019/01/04

気になる子どもの特性を「長所」ととらえて接する

 

●ADHD(注意欠如・多動性障害)の子ども

特性 衝動性が高く、多動

    ↓

長所 思い立ったら即行動

 多動のエネルギーをうまく生かして、興味のあることに結び付けてい

くとよいでしょう。好きなことへの集中力は非常に高いです。たとえば、

虫が好きなら、すべて虫をテーマにする。漢字でも、虫の名前が出て

くる問題にしたり、算数でも虫が出てくる計算の文章題にしたりなど。

本人の好きなことを中心に置くと、取り組み方が違ってくると思います。

 また、どうしても動いてしまうので、10分集中したら動くような働

きかけも効果的です。必要な感覚が満たされると落ち着き、次の10分

に向かうことができます。

 コツコツやるのは苦手なので、短い時間で集中して、「できた」「でき

た」を積み重ねていくと、楽しく学習できると思います。

 

●ASD(自閉症スペクトラム障害)の子ども

特性 いつもと違うことが不安、こだわりが強い

    ↓

長所 同じことを見事に再現できる、こだわりを生かす

 ASDの子どもは見通しを持っていて、それと違うことが起こるのが

とても怖いのです。「いつもと同じ」が安心します。柔軟に思考できな

いため、急な変更がとても苦手で、気持ちや行動を変化にフィットさせ

ていくことにエネルギーを必要とします。「いつもと違う」ことが不安

なので、「いつもと同じ」にこだわるわけです。

 でも、「いつもと同じにこだわる」ことは長所でもあって、彼らは一回学習したルーテ

ィンの活動は、ものの見事に丁寧に再現できます。こだわるからこそ、学習が積み重

なっていきます。こだわりをうまく生かすと、パターン学習でいろいろなことを学べる

と思います。ただ、応用するのは苦手です。

苦手は責めずに支援する、強みを生かすという心構えで接すると、教える側も、教

わる側もラクになるのではないでしょうか。